骨粗鬆症の原因は、加齢などにより起こる「原発性骨粗鬆症」と疾患などにより起こる「続発性骨粗鬆症」があります。

今回は骨粗鬆症の原因についてご紹介します。

骨粗鬆症の原因

骨粗鬆症は、その原因によって大きく2つのタイプに分けられます。

広く一般に認識されている骨粗鬆症は「原発性骨粗鬆症」と呼ばれるもので、遺伝的な素因に加齢や生活習慣が加わった複合的な原因によって起こります。

一方、これらの要因以外に特定の原因があるものを「続発性骨粗鬆症」といいます。

骨粗鬆症のメカニズム

骨粗鬆症とは、骨強度が低下し骨折しやすくなった状態のことです。

骨強度を規定する「骨密度」「骨質」が低下することで、骨粗鬆症となります。

生体内の骨は「リモデリング」といい、少しずつ溶かされ(骨吸収)、また新たに作られる(骨形成)ことを日々繰り返しています。

このバランスが崩れ、骨吸収のスピードが骨形成を上回った場合に、骨密度が低下すると考えられています。

また、骨リモデリングのバランスの乱れや、酸化ストレス・血糖値異常・ビタミンD・ビタミンK不足などにより、骨質が低下すると考えられています。

原発性骨粗鬆症

「原発性骨粗鬆症」は、原因となる病気などがなく、 生活習慣の乱れ・遺伝・加齢・閉経などが原因で起こる 骨粗鬆症です。

男性にもみられますが、閉経による女性ホルモンの分泌低下が骨密度を低下させるため、特に女性に多くみられます。

こうした生理的な身体の変化に加え、遺伝的要因や栄養不良、体を動かさずに過ごすといった生活習慣も、骨粗鬆症の発症に大きく関係していることが分かっています。

骨粗鬆症全体の約90%を占めています。発症に関係する主な要因は以下の通りです。

加齢


女性の骨密度は20歳代前後でピークに達します。40歳代半ばまではほぼ一定ですが、 50歳近くから徐々に低下していきます。骨をつくるのに必要なカルシウムは、腸から吸収されて骨に取り込まれますが、 年を取ると腸からのカルシウム吸収が悪くなってしまう のも骨密度低下の原因のひとつです。

更年期と閉経


女性の場合は、 閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下すると急激に骨密度が減ります。同年代の男性に比べて骨密度が低くなります。女性ホルモンの減少が主な原因となっている骨粗鬆症に対しては、女性ホルモンやそれに似た作用のある薬、骨密度を増やす薬などが用いられます。

ダイエット・栄養バランスの偏り


無理なダイエットや偏食によって、カルシウム・タンパク質・ビタミンD・ビタミンKなどの栄養素が不足したり、加齢や病気などのために 腸から栄養を吸収する力が落ちると、骨量が減りやすくなります。また、やせ過ぎも栄養不足のため骨量低下の大きなリスク要因のひとつです。

遺伝


遺伝的な要因が関わっていることが分かっています。 血縁者に太もものつけ根(大腿骨近位部)を骨折したことがある方や骨粗鬆症の方がいると、骨粗鬆症になり、やがては骨折する危険性が高い と考えられます。

運動不足・寝たきり


運動不足や寝たきりにより、 骨への負荷が不足すると骨量は減少します。また、食事からのカルシウム・ビタミンD・ビタミンKなどの欠乏は、骨密度・骨質の低下につながります。

喫煙


喫煙は 骨密度の低下を進めるため、骨粗鬆症や骨折にも関係しているといわれています。特に閉経後の女性において、その関係は十分な科学的な証拠があり、高齢男性についてもその可能性があると指摘されています。

続発性骨粗鬆症

「続発性骨粗鬆症」は、 特定の病気やクスリなどが原因で起こる 骨粗鬆症です。

続発性骨粗鬆症の原因には、副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患や関節リウマチのほか、動脈硬化や糖尿病・慢性腎臓病(CKD)・慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの生活習慣病で頻度が高いといわれています。

これらの病気では、骨代謝に影響を及ぼすホルモンが不足したり、骨形成に必要な細胞などに異常が起こったりして骨量が減るものもありますが、骨の中に骨質を劣化させる物質が増えて骨がもろくなってしまうものもあります。

薬の副作用による骨粗鬆症では、代表的なものにはステロイド薬の長期服用があります。

長期間ステロイド薬を服用している人の30〜50%に骨折がみられるという報告もあります。
ステロイド性骨粗鬆症は子どもからお年寄りまで、閉経前の女性や男性にも幅広く起こるため注意が必要です。

続発性骨粗鬆症の原因には以下のようなものがあります。

生活習慣病


  • 糖尿病
  • 関節リウマチ
  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS) ...など

内分泌性


  • 原発性副甲状腺機能亢進症(PHP)
  • クッシング症候群(副腎皮質ホルモンの過剰分泌)
  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
  • 性腺機能不全 ...など

栄養性


  • 胃切除
  • 神経性食欲不振症
  • 吸収不良症候群
  • ビタミンC欠乏症
  • ビタミンAまたはD過剰 ...など

薬剤性


  • ステロイド薬
  • 抗けいれん薬
  • ワルファリン
  • 性ホルモン抑制療法(乳がん・前立腺がん)
  • SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
  • メトトレキサート(抗がん剤)
  • ヘパリン(抗血液凝固薬) ...など

先天性


  • 骨形成不全症
  • マルファン症候群 ...など

その他


  • アルコール依存症 ...など

「続発性骨粗鬆症」の場合、まずは原因となる病気の治療や、服用している薬の中止・減量などを検討しなければなりません。

そのため、骨粗鬆症が疑われる場合には、どのような原因で発症しているのかを調べ、原発性と続発性との判別を行う必要があります。

骨粗鬆症の予防のために

骨粗鬆症の予防は、 バランスのよい食事と適度な運動が効果的 です。

食生活の改善と定期的な運動によって、骨粗鬆症の発症リスクをある程度減らすことができると考えられます。

食事では、牛乳などに多く含まれる カルシウム や魚に豊富に含まれる ビタミンD 、納豆や海藻などに含まれる ビタミンK 、そのほか マグネシウム などを積極的に摂ること。適量の たんぱく質 も大切です。

1日3回、バランスのとれた食生活を心がけましょう。

骨粗鬆症の危険因子となるため、 喫煙や過度な飲酒は控えましょう。

そのほか 転倒に注意しながら、適度な運動や日光浴を心がける ことが推奨されています。

【14】骨量の変化

骨量は20歳前後で最大骨量に達し、40代半ばくらいまでは一定の骨量を維持できます。50歳近くから徐々に減りはじめ、骨がもろくなるため、骨粗鬆症が起こりやすくなります。

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